AHJ (Authorities Having Jurisdiction)とは

AHJ (Authorities Having Jurisdiction)とは

AHJ (Authorities Having Jurisdiction)とは

*この記事は、2023年11月06日に公開された記事です。

AHJ (Authorities Having Jurisdiction)とは、「管轄権限を持つ当局」とされており、特定の管轄区域内における建築基準法、消防法、その他の規制を施行する責任を負う政府または非政府機関のことです。

AHJは、地方自治体機関、消防署、州政府機関、連邦政府機関などの組織または資格のある個人(専門家)が担っております。

取扱う製品分野、プロジェクトによって、AHJも異なります。

例えば、公共の安全に関する問題では、連邦、州、地方自治体、または地域当局がAHJとして担当しますが、特定のプロジェクト、ケースにおいては、AHJ は個人(専門家、消防署長、労働局長、保険当局の部門長など)が担うこともあります。

AHJは、建築、機械、電気、排水、天然ガス、食品、公衆衛生、福祉、緊急事態、環境に影響を与える廃棄物などの該当する安全関連分野において、必要に応じて管轄が変わることもあります。

一般産業用設備についても、製品の設置場所、用途などによって、担当するAHJも異なるものと考えておくべきだと思います。

<コンテンツ一覧>

1. AHJの責任と権限

AHJは、法律や規格要求を強制したり、機器や材料の認証要求、設置/手順を承認する権限を有しており、北米(アメリカ、カナダ)で産業機械製品を使用する上で、重要な役割を果たしています。

フィールドラベルを行う場合も、行わない場合も、必ずAHJによる許可を受けなければなりません。

AHJの責務としては、建設/設置計画をレビューし、許可を発行し、検査を実施し、建物/設備が適用されるすべての規定と基準を満たしていることを確認することです。

AHJには、機械設備を使用する現地ユーザーにとって、その製品(機械設備/構造/建屋など)が、安全であり、適用される法規、規格基準を満たしていることを確認する責任があります。

その製品に不適合がある場合、必要に応じて、出頭命令、作業停止命令、その他の強制措置を発行する権限もあります。

機械を使用する現地ユーザー(または機械の製造者)に、法律/規格の遵守に対する責任を負わせることで、事故、火災、その他の危険防止を行っているというかたちです。

AHJは、製品安全、公共の安全、建築環境の適切な機能を確保する上で重要な役割を果たしております。

主な責任と権限は以下のとおりです。

建設/設置計画のレビュー、許可の発行

AHJは、機械設備/建物に適用されるすべての法規、規格に、確実に適合していることを確認するために、建設/設置計画をレビューし、許可を発行する責任があります。

検査の実施

AHJは、承認された計画と許可に従って、建設/設置工事が行われていることを確認するために検査を実施します。

規範と規制の施行

AHJは、機械設備の組み立て、建物の建設、防火、人命の安全に関連するすべての該当する法規制を施行する責任を有しています。

警告および罰金の発行

AHJは、法律違反、規格不適合を発見した場合、法規遵守のための警告、罰金を科す権限を有しています。

このような責任と権限を持つAHJによる取り組みは、法規への遵守、未然に事故を防ぐこと、財産の保護などにつながるという考えのもとで運用されていることになります。

2. AHJとNRTL、FEBは異なる機関です

上記に説明したとおり、AHJは、関連する法規を満たし、設置/使用に対する許可を行う機関です。

あくまでも、FEBは、製品安全に対する第三者評価機関であり、法律/規格に対する適合性を評価する認証機関です。

FEBは、NFPA790「第三者フィールド評価機関の能力に関する基準」の能力を持つと認められたフィールドラベル認証を行う機関であり、AHJは、FEBによって評価され、適合しているのであれば、安全基準を満たしているであろうとみなし、許可を与えることになっております。

フィールドラベル認証は任意の適合確認制度です。

フィールドラベル認証を受けるかどうかについては、現地ユーザーの意向などによります。

フィールドラベルが貼り付けられた製品は、FEBという認証機関の評価を受けているため、規格適合性に対し、高い信憑性を与えることができるというものです。

フィールドラベル認証を受けている場合も、製造者または現地ユーザーによる適合性確認を行っている場合も、最終的な判断はAHJに委ねられます。

AHJ (Authorities Having Jurisdiction)とは

NRTLは、認証機関のことですが、FEBとは少し異なっております。

NRTLは、一般的に製品出荷数が多い大衆向け製品のラベル認証を担う認証機関です。

ACアダプターなどの製品にNRTLのマークが貼ってあるのをよく見かけるかと思います。

NRTLは、一般に大量生産される製品に対する安全性についての認証機関です。

これに対し、機械設備は、出荷台数が限られており、一品一様である場合が多いかと思います。

このような少量(限定)生産される機械製品に対しての安全性については、FEBによるフィールドラベル認証、または現地ユーザー(または機械の製造者)による法規/規格の遵守により、AHJに設置/使用許可を得るという仕組みになります。

一般的にNRTLもFEBとしての資格を有することが多く、FEBの資格を持つNRTLが評価を行いフィールドラベルされた機械製品で、AHJの許可を得るということも多いかと思います。

3. イーエムテクノロジーのサービス

イーエムテクノロジーでは、北米法規/規格に適合するためのコンサルティングサービスを行っております。

フィールドラベル認証を受ける場合も、受けずに規格適合を目指す場合も、お客様のご要望に沿った技術サービスをご提案致します。

お客様のご要望に応えられるように、設計/製造段階から、様々なサポートをさせて頂いております。

現地FEBの予備審査、現地FEBによるフィールドラベル評価、AHJの手配、調整など、様々な技術サポートを行っております。

北米規格に対するご相談ごとがございましたら、お気軽にお問合せ頂ければと思います。

イーエムテクノロジーでは、お客様のご迷惑になるような、しつこい営業電話、メール等は一切行っておりません。

お見積りは無料ですので、お気軽にお声がけください。

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2023年07月04日