カナダ向け産業機械に適用されるEMC試験
*この記事は、2023年01月09日に公開された記事です。
今回は、北米(アメリカ、カナダ)向け産業機械に適用されるカナダのEMC規制について、ご紹介したいと思います。
カナダのEMC規制についても、法体系はアメリカと似ています。
<コンテンツ一覧>
1. カナダの法体系
カナダは、10州と3つの準州で構成されています。
*10の州
オンタリオ、ブリティッシュコロンビア、アルバータ、ケベック、サスカチュワン、マニトバ、ノバスコシア、ニューブランズウィック、プリンスエドワードアイランド、ニューファンドランド・ラブラドール
*3つの準州
ノースウエスト、ユーコン、ヌナブト
カナダも「カナダ憲法」に基づいて、「連邦法(Act)」と「州法」があります。
連邦法(Act)を実現させるための法律として「連邦規則(Regulation)」が制定されています。
カナダのEMCに関連する法律としては、連邦法では、無線通信法 Radiocommunication Act、電気通信法 Telecommunications Act、連邦規則では、無線通信規則 Radiocommunication Regulationsなどがあります。
2. カナダのEMC規制
これらの法律に基づき、カナダのEMCに関する規制、無線周波スペクトラムに関する規制については、「イノベーション・科学経済開発省 ISED(Innovation, Science and Economic Development Canada)」が取り締まっております。
ISEDでは、無線周波数を意図的に使用する無線通信機器(無線LANやBluetoothなど)や、電気機器が動作することで発生してしまう不要な電磁ノイズの規制について、取り扱っております。
産業機械に搭載される電気機器はもちろん、電気機器が組み込まれた産業機械に対しても、小型、大型は関係なく、ISEDが取り締まりを行う規制の対象となります。
無線周波数を意図的に利用する無線機器は、RSS(Radio Standards Specification)で規制され、無線機器以外の電子・電気機器により生じる電磁干渉についての規制については、ICES(Interference-Causing Equipment Standard)で規制されております。
まず、無線が搭載されているかどうかで、規制が異なっているということです。
無線機器は、RSSの対象となり、その中でもカテゴリー分けがされております。
カテゴリー1に該当する機器は、認証機関による証明書が必要となります。
カテゴリー2は、認証を免除された機器です。
RSSは、シリーズ規格として発行されております。
一方、無線機器を搭載していない一般の産業機械は、ICESで定められた基準を満たさなければなりません。
ICESも、シリーズ規格として発行されています。
一般の産業機械では、一般要求を定めたGeneralや工業、科学及び医療機器ISM(Industrial, Scientific and Medical)について定められたICES-001が該当してくるでしょう。
ICESの対象となる一般産業機械では、製造者による適合宣言SDoC(Supplier’s Declaration of Conformity)が認められております。
3. イーエムテクノロジーのサービス
イーエムテクノロジーでは、アメリカ/カナダ向け産業機械のEMC試験サービスを行っております。
産業機械の機械安全、EMCに関する規格に適合するための技術コンサルティング、規格適合性評価、各種試験、レポート、取扱説明書などの文書作成まで、様々なサービスを展開しております。
欧州CEマーキング、北米(アメリカ、カナダ)、ブラジルなどの海外規格に適合するための製品設計のポイント、設計の共通化、基準作りなど、お客様のご要望に合わせた様々な業務をご提案させていただきます。
お見積りは無料ですので、お気軽にご連絡頂ければと思います。